250年の歴史を持つ「大浜流灌頂」は、博多に夏の終わりを告げる行事です。毎年8月24日からの3日間、博多区大博町(大浜地区)で行われます。通りには、博多の絵師海老崎雪渓の武者絵大灯篭が掲げられ、家々には「今月今夜」の灯篭が灯されます。

福岡商工会議所が、会員の事業所さん向けに毎月発行している会報誌「会議所ニュース」があります。
表紙絵は、漫画家で、「博多町家ふるさと館」館長の長谷川法世さんが描かれています。

<8月号の表紙です>
表紙には、「今月今夜」というタイトルがついており、「大浜流灌頂」(おおはまながれかんじょう)が題材になっていました。
表紙を見て「どんなお祭りなんだろう?」と、takemuraさんと8月24日、大浜流灌頂に行ってきました。
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大博通りから、路地に入っていくと提灯の明かりが見えてきました。
通り沿いに提灯が連なり、夜店が出て、老若男女が楽しそうに歩いていきます。
その先に、ありました。

その大きさにびっくりしました。
ちょっと怖い絵が灯篭になって、日の落ちた空に灯っています。

真下で見ると、かなりの迫力です。

アップもすごいです。
この「流灌頂施餓鬼」(ながれかんじょうせがき)のはじまりは、250年前にさかのぼります。
東長寺の某大律師が隠居後、堅町浜(現・大博町8)に庵居されていました。宝暦5年(1755年)の大風雨、翌6年には疫病流行で多くの人々が亡くなり、その霊を施餓鬼供養するために、7月(旧暦)24日から26日まで、東長寺一山によって施餓鬼供養を行ったのが始まりです。

今も、東長寺の僧侶によって施餓鬼供養が行われています。
この大浜流灌頂が、独特の祭りとなったのは『武者絵大灯篭』の建立です。
現在、明治40年前後に書かれた武者絵が現存しており、博多最後の絵師といわれる海老崎雪渓作の武者絵は、福岡県有形民俗文化財の指定を受けています。

雪渓さんがかかれた絵には『雪渓』とのサインが入っています。左端・下あたりに見えます。
戦前、武者絵は、大浜各町(旧大浜町は、現・大博町から現・奈良屋町あたりも含んでいました)で保存保管され、16箇所の辻辻に大灯篭が建てられ、「大浜流灌頂」独特の風物詩となりました。
太平洋戦争の空襲で博多の町が焼かれましたが、かろうじて被害の少なかった現・大博町地区では、武者絵が戦災をまぬがれて残りました。
現在は、3基が建立され、残りの武者絵は、期間中大浜公民館に公開展示されています。

大浜公民館の中林主事さんに、お話を伺いました。
「昔、大浜地区は多くの人が行き交う港町で、このお祭りも昭和30年ごろは、放生会に匹敵するほど露店が並び賑わいを見せました。子供のころとても楽しみにしていました。しかし、博多部の人口が減り、祭りもだんだん縮小していきました。
平成に入って、この歴史ある祭りを守りたい、子供たちに伝えていきたいと、地域の人達が自ら祭りを盛り上げようと活動を始め、今では、大灯篭の建立のほか、地域の団体が趣向をこらした夜店を出店しています。
また、ユニバーシアード福岡大会以来ブラジル留学生との国際交流が続いており、25日には「サンバカーニバル」が披露されます。
伝統あるお祭りと、新しいイベントと、地域の人をはじめ、多くの方に来ていただきたいと、毎年趣向をこらして頑張っています」

中林主事さんには、お忙しい中にもかかわらず、丁寧に祭りの歴史や現在の取り組みをお話していただきました。

夜空に灯る大灯篭、ぜひ見てみてください。
戦国モノから妖怪モノまで、いろいろあります。

『今月今夜』とかかれた灯篭。
8月24日から26日の18時から22時までの間、通りが歩行者天国となります。25日にはブラジルのサンバカーニバル、盆踊りなど開催されます。
参考:大浜流灌頂栞
「大浜流灌頂」
毎年8月24日、25日、26日の3日間
福岡市博多区大博町(地図)
博多大浜流灌頂承継保存会(大浜公民館内)、
大浜まちづくり協議会
(博多区大博町7-16、TEL:092-281-0343)
