ミニコミ誌「よござっ書」の創刊]
西鉄雑餉隈駅近くに立地する銀天町商店街は、7月16日に地域の身近な情報を掲載した「よござっ書」を創刊しました。
A4版見開き4ページのミニコミ誌は、近隣の事業所や家庭へのポスティングを中心に配布しました。発行部数は3万5千部、商店街が発行するミニコミ誌としては異例の多さです。
紙面を見ると、1面トップには、ゴールデンウィーク中に行なわれた保育園、幼稚園児たちの「第1回家族の絵コンクール」の記事が掲載されています。
また、2面には那珂南校区の少女ドッジボール大会の記事と写真、3面には商店街のお客様が行きつけの八百屋さんのことを紹介している記事なども載せられています。
紙面の下3段は広告スペースにしています。
ボウリング場「フラワーボール」の無料券やラーメン店の替え玉無料券など、お客様に喜ばれる楽しい企画が並んでいます。
小さなエリアの細かな情報を掲載することで、薄れつつある地域への関心を呼び起こし、なんとか商店街に人の流れを取り戻したい、そんな思いをこめて「よござっ書」は発刊されました。
発行人は平成17年3月に発足した「親孝行の街づくり実行委員会」です。
この委員会のユニークな点は商店街の外部からも参加者を得ていることです。
委員長は博多区で障害者通所授産施設「リンゴの唄」を営む濱崎さん。ほかに商店街で子供服、紳士服の店「まるとく・プチ」を経営する副理事長の山田さん、「ブティック・コウノ」のやはり商店街副理事長の香野さん、そして外部から「フラワーボウル」の秀嶋さんなど、30代、40代の若手中心のメンバー構成となっています。
濱崎委員長は、副理事長の山田さんとは昔から地域の体育振興会で一緒に行動してきた仲ということもあって、早くから商店街の活動に協力してきました。「よござっ書」創刊号には、「リンゴの唄」が行なう高齢者向け宅配弁当の広告を掲載して売上UPも実現しています。
「広告効果をあげて広告収入を増やすためにも、発行部数3万5千部は確保したい。そして将来は専門スタッフも置けるくらいになりたい」と、秀嶋さんは構想を語ってくれました。
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3つの柱で事業計画を作成
銀天町商店街は西鉄雑餉隈駅近くに立地し、天神の新天町商店街、香椎商店街、西新商店街とともに、戦後間もない頃に立ち上がった福岡市を代表する商店街です。
居酒屋や飲食店なども多い賑わいのある界隈に、生鮮3品、惣菜店、喫茶店、金物店、洋品店などさまざまな業種の90店舗ほどで構成されています。しかし最近は、東京の巣鴨や浅草と雰囲気が似ているといわれるほど、商店街を行き交う人は高齢者が多くなりました。
「このままでは、ゴールデンウィークは寂しいよね」、と実行委員会がまず取り組んだのが、「第1回家族の絵コンクール」です。
特賞に旅行券、入賞に図書券を付けて付近の保育園、幼稚園に呼びかけたところ、370人もの参加者を募ることができました。作品は、連休期間中、点在する空き店舗のシャッターと「フラワーボウル」内に展示され、わが子、わが孫の絵を探し回る人たちで商店街は久々の賑わいを見せました。

(第1回家族の絵コンクール展示会場)
その後、こうしたイベント実施と「よござっ書」の発行、それにコミュニティスペースの設置を3本の柱とする、「母に捧げるバラード・親孝行の街づくり」というテーマの事業計画が、福岡市の「商店街にぎわい支援事業」に採択されました。
武田鉄矢の実家がすぐそばにあることで決定したテーマには、3世代が交流できる場を作ることで、忘れられかけている「親孝行」ということばをもう一度地域に根づかせたい、という思いが込められています。
今年、地域のNPO法人「そよかぜ」が高齢者施設を商店街内に設置する予定です。2階をその用途に使い、1階部分は特にお年寄りが休憩できる憩いの場など、コミュニティスペースにあてる計画を立てています。椅子の製作は付近の中学生に依頼してみては・・・等々、今プランを練っている最中です。
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地域のネットワークづくり
「親孝行の街づくり実行委員会」発足後、メンバーを勇気づける出来事が起こっています。
地域の企業から、「うちも協力したいのでスタッフを派遣したい・・・」と申し出があったこと、そして地域に暮らす朝日新聞の記者がミニコミ誌発行を取り上げて、「地域情報 やっぱり紙でしょ」というタイトルを夕刊の記事にしたことです。実行委員会の活動は、地域を大切に思う人々の心に小さな波紋を投げかけているようです。
平成17年7月1日の日経新聞は、国土交通省と経済産業省が中心市街地の荒廃に歯止めをかけるため、公共施設や大型店の郊外立地を規制するための検討に入ったことを報道しています。
これは来るべき人口減少社会に備えて、大規模な郊外開発によって上下水道や道路などの整備費用、いわゆる社会コストが増大することを抑制する狙いがあります。すでに社会的インフラが整備されている中心市街地に、もう一度人の流れを呼び込もうというものです。
一方、2007年から、いわゆる団塊世代の定年退職が進行していくことも話題になっています。地域に活動と消費の両面で意欲の高い団塊の世代が帰ってくることは、街づくりにとっても小売業にとっても特筆すべき出来事です。
こうした近い将来の環境変化を視野に入れると、今商店街に求められるのは、商店街を中心とする地域ネットワークづくりを地道に推進していくことだと言えるでしょう。そして、すでに銀天町商店街はその活動を着実に積み重ね、小さな波紋を大きなうねりに変えるための潜在力を蓄えつつあります。
(本記事は福岡市産業振興情報誌 CATCH 2005年9月 No350 より転載しました。)
『親孝行の街づくり実行委員会』
〒816-0079
福岡市博多区銀天町2-40-1-301(地図)
(銀天町商店街振興組合内)
TEL&FAX 092-581-0801
☆written by kamibeppu☆
