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帰りは送るよ、サービス(竹下商店街振興組合)

帰りは送るよ、サービスの開始

竹下商店街振興組合(以下、「竹下商店街」)が、商店街で買い物をしたお客様を自宅まで専用車で送り届けるサービスを始めたのは、平成16年6月です。福岡市の「商店街にぎわい支援事業」に採択されて開始しました。

サービス時間は平日午後2時から6時まで、「竹ちゃん号」という専用のワゴン車を使っています。

車体には竹ちゃんと竹美ちゃんというきょうだいのキャラクターが描かれて楽しい雰囲気を醸しだしています。

このキャラクターは、市内で活躍しているイラストレーターが特別にデザインしてくれました。竹ちゃん号には荷物だけではなく車椅子やベビーカーも楽に乗せることができます。

利用客は、60代以上の高齢者と子ども連れの30代女性が多いとのこと、40、50代の女性は乗れば楽だとわかっていても、まだちょっと抵抗感があるようです。


(竹ちゃんと竹美ちゃんのキャラクターが描かれたワゴン車)

乗務員には、商店街役員の知り合いで元タクシーの運転手をしていた人に白羽の矢を立てました。客扱いに慣れていて、しかもさりげなくお客のニーズを聞くことができるという条件にピッタリの人物であることを見込んでのことです。

こうしたサービスは、商店街の店主たちが交替で担当しながら実施しているところも多いのですが、それでは長続きしないのではと考えて専任の乗務員を置くことにしました。


(「帰りは、送るよ」サービス券)

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立地条件を活かして飛躍を図る

竹下商店街のメインストリートは、竹下通りからひとつ奥まった通りに、JR竹下駅とアサヒビール博多工場を結ぶ形で展開しています。歴史をたどれば大正10年のアサヒビール創業とともに発展してきた商店街であり、JR竹下駅を中心にして、北にアサヒビール、南に雪印工場を控え、工場が働く人たちの熱気と活力に包まれていた頃には、現在の西新ほどの賑わいを見せていたということです。

当時はふとん店や家具店などたくさんの物販店が立ち並んでいましたが、現在は、にしてつストアを核店舗としながらも、主要業種は美容院、クリーニング店、飲食店などサービス業へと変化しています。また、通りには、銀行、郵便局、総合病院、歯科医院などが立地し、近隣住民にとっては生活に欠かせない大切な空間となっています。

平成17年度は事業開始後2年目ということで、さらに利用客を増加するため4つの活動計画を立てています。

ひとつはエリア内に折り込みチラシを配布して認知度を高めようという計画~「もっともっと、竹ちゃん号を利用してもらおう!!作戦」~、2つ目は、1日約11,000人の乗降客を抱えるJR竹下駅と連携して利用者増を図る計画~「駅を降りたら商店街で買い物して、竹ちゃん号でお家に帰ろう!!作戦」―、3つ目は金融機関、郵便局、病院等と連携して利用者増を図る計画~「竹下に来たら商店街で買い物して、竹ちゃん号でお家に帰ろう!!作戦」~、4つ目は、にしてつストア主催の毎月1日(月の市)、24日「にしてつデー」などのイベントと連動して、商店街全体の売上向上を図る計画~「たくさん買い物して貰ってもっと売上をあげよう!!作戦」~です。

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地域づくりの中心的役割を担う

竹下商店街は、毎年5月第3日曜日に駅前広場をメイン会場として「竹下まつり」を行っています。

例年多くの子供づれや若者を集めることで有名なこの祭りは平成17年で21回目を数え、参加者は3万5千人を数えました。

駅前広場には長さ7.5メートルもの竹のトンネルが作られ、昔なつかしい竹とんぼコーナーも人気を集めました。駅から広場へ通じる道なりには祭りにおなじみの出店が連なり、かたや仮設ステージではかわいい衣装を身にまとった幼稚園児の遊戯や、竹下太鼓こども組の演奏、福岡市消防団による吹奏楽演奏などがイベントに花を添えました。

隣接するアサヒビール工場で行われた恒例の工場見学と試飲会には、朝からできたてビールが飲めるとあって多くの人たちが繰り出しました。また商店街と地域住民共同でガレージセールも開催するなど、住民参加型の祭りは大成功を納めたということです。


JR竹下駅周辺には、新しいマンションなどが建設されて、新たな住民も流入しています。竹下祭りのような地域ぐるみの大規模なイベントは予算の関係上年に1度しか実施できず、商店街ではなんとか地域との新たな関係づくりを行いたいと模索していましたが、なかなか糸口が見出せませんでした。

しかし、「帰りは送るよ、サービス」を始めた成果として、商店街と地域住民との間には新たな結びつきが生まれています。このサービスの目的は、もちろんお客様の帰りの足を確保して利便性を図ることにありますが、車中の四方山話からお客様の生の声を集めて商店街づくりのヒントを得るという副次的な効果も出てきています。

一例として、「カジュアルな洋服のお店があればいいのに」という車中のお客様の声から、空き店舗を活用して婦人服の店舗を作ることを決定し、誘致に成功しました。商店街では今後もこうしたお客様の声を理事会、各部会などで共有して、商店街づくりの指標にしていきたいと考えています。

そして、もうひとつ平日の午前中、あるいは土日祝日など竹ちゃん号が稼働していない時間を、地域の人たちの申し出により無料で貸し出すようにしたところ、特に小中学生などといったサークル活動の送迎の申し出が多く、最近の竹ちゃん号は忙しく動いているようです。

竹下商店街としては、この機を活かして地域の中核機能を実現するためのビジョンを再構築し、地域住民により親しまれる街区を作っていく必要があると考えています。周辺農家と提携した朝市の開催などの恒常的なイベントの企画、あるいは、新規創業したいと考えている人たちと連携して空き店舗の有効活用を図ることなど、商店街に新風を吹き込むために有効な取り組みだと思われます。


竹ちゃん号がこうした斬新な活動を次々と生み出し、「変わる商店街」のシンボルとなることを期待したいところです。

(本記事は福岡市産業振興情報誌 CATCH 2005年7月 No349 より転載しました。)


『竹下商店街振興組合』
代表者:理事長 吉原貴
会員数:57店舗  
所在地:福岡市博多区竹下4丁目(地図)
組  織:振興組合(昭和32年4月設立、平成6年7月法人化)

☆written by kamibeppu☆

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