小笹商店会は、「博多~小笹~姪浜」を結ぶ筑肥線旧線沿いにあり、以前は乗り換えの拠点として多くの人々が行き交いにぎわいをみせていた。しかし、廃線にともなう商圏人口の減少や大型店の出退店など商店街を取り巻く環境も大きく変化してきた。
そのような中、小笹商店会の人々はどのように商店街の活性化に取り組んできたのだろうか。今回は商人塾3期生で小笹商店会の理事を務めている「レディスショップいとう」の伊藤博隆さんにお話を伺った。
●夏祭りを契機に若手が結集
小笹商店会における現在の活動の主力メンバーは、40代といった若い世代である。しかし、ほんの6年前まで商店会には若い世代の交流がほとんどなく、商店街活動のことは年長者に任せておけば良いという雰囲気だった。
そのような状況のなか、商店街の若いメンバーが集まり、商店街に関する福岡市の助成事業について、市の職員を交えて勉強会を実施したところ、助成金を利用して商店街で「祭り」をしたらどうかという意見が出てきた。
「祭り」を成功させるにはどうしたらいいのか、若いメンバーは話し合いを重ねながら、地元関係者に協賛を呼びかけ資金を確保し、無事開催することができた。以後、商店会が行う夏祭りは、小笹地区住民の夏の風物詩となった。
現在は、開催場所の確保が困難となったため、商店会単独での夏祭りはできなくなり、小笹校区の夏祭りに協力する形に変わったが、「射的」、「ヨーヨーすくい」などのイベントに出店することで、祭りのにぎわいには欠かせない存在となっている。
●知恵を絞って作った「手作りサイト」
「夏祭り」の成功で自信をつかんだメンバーの次の取り組みが、IT化の流れを見据えた小笹商店会独自のホームページ開設である。
小笹商店会のホームページの特徴は、業者に任せるのでなく、商店街のパソコン教室に通い自分たちの手で一から作り上げた、いわゆる「手作りサイト」。自分たちの店を知ってもらうためにはどのようなホームページにすればいいのか真剣に考え苦労した分、ホームページに対するメンバーそれぞれの想い入れも非常に強く、商店街の意気込みが良く伝わる内容となっている。今後は、改善を重ね、ネットショッピングが可能なホームページに移行することを目指している。
『小笹商店会のホームページ』
http://www.ozasashop.com/
●期待感を持続する「抽選会」の工夫
数年前から小笹商店会は従来の年末一斉セールを取りやめ、豪華景品を取りそろえた抽選会を実施している。これは各店が買い上げた抽選券を購入金額に応じて発行、一定枚数で抽選ができるというもの。
以前は、三角クジだったが、コストと手間の面から抽選機を購入。また、今まで一回分に満たない補助券や抽選日を逃した券は無効としていたものを次回やそれ以降にも繰り越せる仕組みに変更し、それに併せて、1,000円毎に一回だった抽選を3,000円毎に変更することによって当選確率を高くすることができた。
その結果商品が抽選会で当たった商品をきっかけに顧客と個店とのコミュニケーションが密になるなど次の販売に結びつく仕組みとして成功している。
さらに、期限を無くしたことで、同じ抽選券が使用でき、まとめて印刷することが可能となり、商店街運営におけるコスト削減など多くの面でプラスが生まれた。
●もっとお客さまの声を企画に
このように、商店街活動における世代交代は、独自のホームページ開設となった目標を実現するパワーやユニークな抽選会などに見られる柔軟な発想を生んでいる。
彼らはさまざまな新しいイベントに楽しみながら取り組み、地域住民は、そのような彼らの活動を好意的に評価する一方、同世代の消費者として率直な意見や要望を気兼ねなく伝えることによって、商店会が行うイベントの企画・運営をより充実したものとしている。
この利用者の声が届きやすいフェイス・トゥ・フェイスの関係こそが、顧客満足に直結する取り組みを創りだし、小笹商店会の活性化に繋がっているのではないだろうか。
(本記事は博多商人塾広報誌「はかた商人VOL.34」 より転載しました。)
