鮹松月の博多水無月(柳橋連合市場)

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今回は・・・2006年5月8日にご紹介した"和菓子処たがわ"さんの「博多水無月」に続き、博多の台所で知られる柳橋連合市場で約70年前から和菓子つくりをしている「和菓子舗 鮹松月」さんの「博多水無月」をご紹介します。

京都では水無月(6月)に町内のお菓子屋さんに必ず並ぶ和菓子「水無月」があります。これをヒントに博多でも季節感の漂う故郷の銘菓を作ろう!と、福岡市和菓子組合所属の有志たちで構成する『新福岡・博多の和菓子開発研究会』のそれぞれのお店がアイデアを出し食感、風味、デザインなど創意工夫した和菓子が「博多水無月」です。

この博多水無月には、
小豆とわらび粉を主原料にして笹の葉で巻く
という、決まりごとがあります。
逆に言うとこの決まりごとさえ守っていれば、いろいろなアイデアで和菓子を創作することができるのです。
「和菓子舗 鮹松月」さんは長男の健一郎さんで3代目です。三男の亘隆さんと一緒になってお店を運営しています。今回は長男の健一郎さんに説明を受けながら、三男の亘隆さんに「博多水無月」を実際に作っていただきました。


(右:健一郎さん、左:亘隆さん)

1.まず、ワラビ餅粉、上質糖、粒餡に液糖をいれたものを準備します。


(ワラビ餅粉)


(上質糖)

液糖も砂糖も同じ甘味料じゃないの?と思って質問すると・・・
液糖を使うことで出来上がりの商品により保湿性がでるし、甘みが抑えられるそうです。


(液糖に粒あんを混ぜたもの)

2.まずはワラビ餅粉に熱湯を注ぎます。

この「返し」と呼ばれる作業は本で学べるものではなく、長年経験をつんで体で覚えるものだそうです。
ゆっくりかき混ぜながら「半ゲル状」にしていきます。
ここで失敗すると粘り気が出すぎて固まったり、逆にゆるすぎたりすることになるので細心の注意を払いながらしゃもじでかき混ぜます。

3.上質糖をいれます。

ちょうど粘り具合になってきたところで準備しておいたこの上質糖をいれることで「返し」のプロセスがとまりゲルの状態が保たれます。
ゲルの状態がゆるいと時間を置いたときにだんだん粒あんが下に沈んできてゲルと粒あんが分離してしまうので、粒あんをがそれ自体の重みで自然に下に落ちてこない程度の粘り気がでるまで「返し」を続けるようです。

4.半ゲル状になったワラビ餅粉と一緒につぶ餡をしっかりかき混ぜて蒸します。


(蒸す準備をします)


(20分間蒸します)

5.20分後、今度は冷水で蒸したものを冷ましていきます。

6.きちんと計って4cm×4cmのサイズに切り分けます。

この一回の作業で54個の博多水無月ができます。

7.笹の葉と竹帯柄(シャイン)できれいに巻きます。

8.最後にパッキングして完成です。


(鮹松月の博多水無月:125円(税込) 7月7日まで)

「和菓子舗 鮹松月」さんの「博多水無月」は・・・
この博多水無月の企画が数年前に持ち上がったときに何をこの材料でつくるべきか?と兄弟で相談されたそうです。
もともと「ワラビもち」は「鮹松月」さんの定番商品としてかなり人気があったので、その定番商品のもっちりとした食感を生かした形で商品開発を考えたそうです。

生鮮品の取り扱いの多い柳橋市場という特殊な環境にあることもあって、お客さんは常連さんがほとんどなので、オーソドックスなものであれば、今までのお客さんにも受け入れられるのではないか?という発想で作りました。他のお店では博多水無月にあわせて毎回新しい商品を考えているところもあるそうですが、鮹松月さんは同じ商品をこの時期に博多水無月として提供し続けています。

このほかに「鮹松月」さん製造販売されているものは・・・定番商品として餅粉で作った型のなかに乾燥した小豆を中にいれた商品で熱湯を注ぎ込むだけでお汁粉ができる「懐中汁粉」や昔から年中引き合いのある「赤飯」などがあります。


(懐中汁粉:105円(税込))


(赤飯:420円(税込))

今の時期には、もち米に甘夏の果汁ををしっかりと染み込ませて、白あんの上品な甘さと甘夏の酸味が絶妙にマッチした季節限定商品の新商品「甘夏柑餅」もあります。


(甘夏のいい香りがします。甘夏柑餅:120円(税込))

最後に・・・和菓子屋さんなのに店名に「鮹(たこ)」?
気になってご主人に聞くと・・・・
もともと戦前からこの柳橋で和菓子屋として商いをしていたのですが、戦後の食糧統制で砂糖が手に入らず和菓子屋としてやっていくのが難しくなったそうです。他のお店では「サッカリン」「チクロ」といった代用品を使用してその場をしのいでいたそうですが、初代のおじいさんは、砂糖がちゃんと手に入るまで和菓子屋を一時休業し、魚の仲買人を2年ほどしたそうです。このときの名残で店名に鮹(たこ)がつき「鮹松月」というお店の名前になっているとのことです。


『和菓子舗 鮹松月』(柳橋連合市場)
【住】福岡市中央区春吉1-4-2(地図)
【電】092-761-5058
【営】9:00~18:00
【休】日曜・祝祭日

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このページは、miyazakiが2006年5月30日 15:20に書いたブログ記事です。

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